3日の初釣りに続いて
再び伊予灘のタチウオ。
今年もお世話になります。
まこと遊漁さん。
年末年始のよく釣れていたポイントもここ最近釣果は下降線。
ということで
今回は全く違う方向へ…
途中 気になるポイントで2回ほど流すが 異常なし。
8時30分 本命ポイント着。
今日も数より型狙いなので
大きめのイワシの頭を落として付ける。
イワシの大きさは16cmくらいがいいかと。
最初の流しからみなさんにアタリがあり
良型のタチウオを取りこんでいる。
今日もいい感じ。
アタリ連発。
時折コギ船が長い仕掛けを引っ張りながら船団を横切る。
船から仕掛けを落とすタテの釣りではなく
タチウオの泳層のなかをヨコに引っ張る釣りなので
活性の高い群れのなかを通すと100本ほどある枝の
ほとんどにタチウオがかかっているそうだ。
確かに仕掛けを揚げている様子を見ると
枝の数だけタチウオが掛かっていた。
スーパーで買った巨大イワシをエサにしているK氏
バラシやライントラブルに悩まされながらも 大物連発。
最初のイワシ10匹が
タチウオ20匹に化けた。
年末から釣れ続いていたポイントは
本流が当たらないので潮が大きくてもやれるが
ここは小さい潮回り長潮・若潮限定のポイント。
いつもは100隻200隻に膨れあがる船団も
今日は30〜40隻と小さめ。
狭いポイントにたくさんの船が集まると
一船あたり釣れるタチウオの数はどうしても減ってしまう。
水深は60m前後。
ヒットレンジは55m〜40m
よく当たるタナは刻々と変化していく。
他の方々はF5のドラゴンサイズを揚げているのに
なぜか私はF4.5まで…
それでも昼過ぎには
クーラーがやばいことに…
釣り開始からコンスタントに釣れ続け
やがてクーラーに入らなくなって
足下に放置。
無理矢理押し込んで
最後はこんな状態に。
これだけ釣れればもう十分ということで
14時 終了。
数釣りの自己記録 ちょっとだけ更新。
数釣りのコツは
エサ付けから投入、アタリをきっちりとって掛け合わせ、取り込みまでの
一連の動きを無駄なくいかにスムーズにできるかにかかっている。
いろいろなパターンのアタリを見極め
できるだけ早いタイミングで掛け合わせる集中力が求められる釣りなのである。
本日の釣果 タチウオ 〜110cm 71匹
タチウオテンヤについての考察
テンヤ釣り がよく分からない
釣り方を教えて欲しいという問い合わせや
某船頭さんより釣り方を公開してほしいと要望があったので…
(あくまでも私の主観ですが 参考になれば…)
一昔前のテンヤ釣りといえば
底から微速で巻き続け コンという前アタリのあと
グッと押さえ込む本アタリで合わせるというものだが
(その釣り方でも十分釣れますが この釣り方はその対極に位置するものです)
特に水深の浅いポイントや食ってくるタナが一定の場合
テンヤを投入直後 すぐにアタリを出し掛け合わす釣り方である。
アタリをきっちり見極め 掛け合わすことができれば
微速タダ巻きの釣り方をしている方の2倍3倍の数釣りが可能である。
ただし シーズン初期や終盤の活性のそれほど高くない時期は
激しい誘いは逆効果になることも多く
また 水深が深い、タナが広い、反応が薄いなどのポイントでは
広いタナを探れる微速巻きでアタリを取る方が釣果も上がるので
近況や反応を船頭さんから教えてもらって
状況に応じた釣り方をしていただきたい。
タックルについて
ほとんどの釣りにおいてロッドやリールにこだわりのない私であるが
テンヤ釣りに限って言えば、専用のロッドと中小型電動リールの必要性を感じる。
ロッドは先調子で 長さは2m前後の短めの方が操作性がよい。
ゆっくり巻き上げながらアタリを取る釣り方なら 少し長目で柔らかめのロッドの方がバレにくいが
海中で重いテンヤを踊らせ 瞬時のアワセがきくようにバットの硬いものがオススメ。
値段はピンからキリまであるが 高級品でなくても全然かまわない。
電動リールも正確なタナ取りと食い上げアタリ時の巻き合わせに欠かすことができない。
ロッドや電動リールの操作については後述。
道糸のラインはPE1.5〜2.5号を使い分けている。
水深があるポイントでは細いPEを使わないと潮が流れの抵抗を受けやすい。
乗り合い満員で隣人との間隔が狭い場合なども太いPEではオマツリ連発となる。
スペース的にゆとりがある場合は2〜2.5号の太めのPEを使っている。
ジギングならロッドも柔らかいしジグを激しく動かす必要もないので0.8〜1号を使っても問題ないが
テンヤはロッドも硬いし激しくアクションを付けるので細いPEではアワセ切れや
ライントラブルが発生しやすくなるので最低でもPE1.5号はほしい。
テンヤについて
各メーカーからいろいろなタイプのテンヤが出ているが
私が使用しているのはヨーヅリやハヤブサの一般的なタイプの50号。
イワシを乗せるタイプで3本のイワシ止めがついているもの。
イワシをまっすぐ突き刺したり 針に通したりするタイプではない。
フックもシングルでダブルフックやトリプルフックの付いたものは使っていない。
水深の浅いポイントでは40号や30号でも可能だが
水深のあるポイント(100m以上)では50号でないと釣りにならない。
水深によって使い分ければいいことなのだろうが
ロッドの感覚が変わってしまうので50号で通している。
テンヤの大きさとタチウオの食いにはほとんど関係ない。
50号のテンヤを使う他の理由としては
大きめのイワシを付けたときのテンヤのバランスを考えてのもの。
軽めのテンヤでは海中で水平姿勢を保てなくなってしまう。
それと数釣りに何よりも必要な手返しの速さも重いテンヤだからこそできること。
リーダーはフロロ6号を5m その先にフロロ12号を30cm それ以外は何もつけない。
ワイヤーリーダーや夜光パイプ、ケミホタルなどは不要。
アシストフックやタコベイト、枝なども必要ないのではと考える。
エサについて
マイワシ・サンマ・キビナゴ・アジ・タチウオのしっぽ…など いろいろなエサで釣れる魚であるが
私は大きめのウルメイワシを使っている。
サンマやマイワシと比べてアタリの数が断然違う。
釣具屋にない場合はスーパーなどで購入して冷凍保存しておくとよい。
ただ大きすぎてもテンヤとのバランスが悪くなるので
頭を落としたときの長さが16cmくらいになるものがよい。
釣具屋でパック入りで売られているマイワシなら
頭を落とさずそのまま付ける。
付け方の注意として 大切なポイントを2点
@ イワシはカチコチに凍った状態で付けられるよう エサ専用のクーラーまたは
大型クーラーの中で温度管理をきちんとしておくこと。
魚と一緒に入れておく場合は保冷剤などでサンドイッチ状態にして
釣りが終わる時間になっても解けていないようにしておく。
普通の氷では解けた水でべちゃべちゃになってしまうので
保冷剤かペットボトル氷がよい。
凍ったイワシは食いが悪いという方もいるが 関係ない。
完全に解凍したイワシの身は柔らかく
ステンの針金で巻いているうちに身が切れてしまう。
また2,3回噛まれたら身はちぎれてボロボロになってしまい 交換を余儀なくされる。
凍った大きめのイワシだと4,5回噛まれても 表面に噛みキズはつくものの
身がちぎられることはほとんどない。
掛け合わせに失敗しても何度でもチャンスはあるし
1匹のウルメを交換せずに3匹4匹5匹とタチウオを釣ることもできる。
たくさんのテンヤを用意し、仕掛けを揚げるたびにテンヤを交換している方も多いが
掛け合わせを失敗したり タチウオを1匹釣るたびに交換をしているようでは
何のためにたくさん用意しているのかわからない。
だから私はテンヤの作り置きは一切せず 毎回面倒に思えるが エサを交換するときには
1匹ずつクーラーからイワシを取りだし付け直している。
「急がば回れ…」結果的に作り置きしている方よりも ジギングをしている方よりも
誰よりも早い手返しが可能になる。
A ステンの針金の巻き方に注意。
テンヤにイワシをくくりつける場合に
外れにくいようにテンヤにグルグル針金を巻き付けている方がおられるが
目のいいタチウオは食いが渋ってくると針金の存在を嫌って アタリが遠のいてしまう。
先日テレビでホオジロザメがオットセイを襲う瞬間をいろいろな角度からとらえていた。
体重2トンのホオジロザメは小回りがきかないため
普通に追いかけているようでは 俊敏なオットセイを捕らえることはまずできない。
唯一の方法はオットセイの死角となる真下から十数m 一気に最速で浮上し
最初のアタックで致命傷を負わせることであった。
タチウオもその独特な体型を見て分かるとおり けっして泳ぎは得意ではないはず。
小回りのきくイワシを普通に追い回しても たいていは逃げられるだろう。
タチウオがイワシなどを捕食するときも 真下から一直線にイワシの腹の部分に食いついてくる。
テンヤ釣りのアタリの大半は この状態の食い上げアタリであるように。
タチウオがどこを噛みにきているか分かります?↑↑↑
タチウオが食いつく腹の部分には針金がない状態にしておくことが
アタリを出し続ける重要なポイントとなってくる。
具体的には イワシの頭に近い部分に3回きつく巻き付け
次に下から斜め上に腹の部分を避けて背中を通って
しっぽ側にまわって1回巻き付け
また下から斜め上に腹の部分を避けて背中を通って
最後に1〜2回頭に近い部分に巻き付けて止める こんな感じ。
背中側は ばってんのたすき掛け 腹側は空けておく という付け方に。
カチコチの状態でかたく巻きつけても
時間とともに解凍してきたり 何度か噛まれると 針金が緩んでくる。
その場合は面倒がらずにかたく巻き直す。
このエサの管理と付け方に気をつけるだけで釣果は2倍以上になる。
釣り方
今やっているのは個人的にはティップランに近い釣り方。
とはいえ50号テンヤにでっかいウルメを付けて かなりの水深。
アオリのティップランのようなゆったりとしたロッドの動かし方では
ロッドが少し曲がるだけで 海中のテンヤはほとんど動いていない。
電動巻き上げながらバッシバシとまわりの方が驚くほど激しく動かし そしてステイ。
おそらく他の誰よりも激しく動かしているような気がする。
2秒間電動で巻き上げながら 5回ジャーク その後3秒間ステイ この5秒間が1セット。
↓ ↓
低速から高速 小刻みシェイクからラインスラッグが出るほどの大きなシャクリ
電動巻きのスピードとジャークの幅を状況により変化をつけながら
この2つのコンビネーションでテンヤを自在に動かし アタリを出していく。
大きくそして激しく動かし ピタッと止める。
このメリハリがタチウオに口を使わせる。
釣り開始直後など その日のタナが分からない場合は
電動高速巻き&大きめジャークで3m刻みでステイし ヒットレンジを探っていく。
できるだけ短い時間に広いレンジを探るため。
5秒間1セットで3mずつ刻んでいくので 6セット30秒間あれば20m近いレンジが探れる。
よく当たるタナがわかってきたら その水深+3mのところでテンヤを止め誘い始める。
水深35mで当たってきたら 38mまで落として誘い始めるというように。
電動中速巻き&シェイクで1m刻みでステイし 集中的にそのタナを攻める。
船頭さんがベイト反応のレンジをアナウンスしてくれる場合は
反応の真ん中より上の方を重点的に狙うと より多くのアタリをとらえることができる。
ベイト反応が水深40〜50mであれば
40〜35mのレンジを意識した誘いをこころがける。
食い気のあるタチウオがいれば ステイ直後にコン!と前アタリがある。
その後の本アタリが出ない場合は
2mフォール&電動高速巻き2m&ステイで同じレンジで止めてやると
8割以上の確率でアタリがでる。
タチウオ釣りは他の釣りと比べると一流しの時間が長い。
水深が変化していっても 一流しの間でヒットレンジはほぼ一定なので
同乗者と協力して アタリがあった水深を言い合い
情報を共有することが数釣りへの近道となる。
アタリの取り方
アタリの取り方(合わせのタイミング)は大きく分けて3パターン
コンという前アタリのあと
@竿先がグッと押さえ込まれるアタリ →タチウオがテンヤを横に引っ張っている
これは誰でも分かるアタリで 即アワセが基本。
ゆっくり巻きながら誘う釣りでありば このアタリが多いが
激しくテンヤを動かす釣り方では このパターンのアタリは少ない。
A竿先が戻る食い上げアタリ→タチウオがテンヤを上に持ち上げている
合わせるタイミングが難しいが 電動MAX巻き+竿先を振り上げる合わせで対応。
この釣り方で 一番多いアタリのパターン。
B竿先に変化はないアタリ→タチウオがテンヤを噛んだままホバリング
一番判断が難しいが ホバリング状態の時は 竿先をほんのちょっと下げたときに
そのわずかな瞬間ラインのテンションが抜ける(分かるかな〜)
これも即合わせで対応。
割合的には@が1〜2割 Aが6〜7割 Bが2〜3割 といったところか。
@の誰でもわかるアタリだけを待っているのでは数釣りはできない。
Aの食い上げアタリでフッキングできるかと
Bの竿先にアタリが出る前のホバリングでフッキングができるかで
最終的な釣果の差は2倍3倍になる。
AやBでフッキングできるとイワシのダメージは少なく
イワシ1匹でタチウオが2匹3匹4匹と釣れ 結果的に手返しがよくなり釣果も伸ばせる。
イワシがテンヤに残っている間は何度もアタックしてくるので
逆に言えば これまで当たっていたのに当たらなくなったら
イワシがちぎれたり 外れたりしているということ。
そのような場合は即回収して付け直し 再度投入。
イワシが外れている無駄な時間帯を少なくすることも数釣りには欠かせない。
フッキングに成功したら 電動の中〜高速巻きで
タチウオに主導権を取らせることなく巻き続けることが大事。
途中でスピードを緩めたり 止めたりするとタチウオが反転してフックアウトすることがよくある。
そのほかに気をつける点としては
テンヤの針先は鈍りやすいので 1時間ごとにチェックして研ぎ直すこととか
この釣りにライントラブルは避けられないので
いかに速くトラブルを解消できるか(ラインを速く結べるようにしておく)など
手際のよさが そのまま釣果に直結する。
ジギングと比べてテンヤ釣りには大物が釣れる確率が高く
ジギングでは全く釣れない潮が悪い時間帯でも食わすことができる。
かといってテンヤにエサをくくりつけて落とせば釣れるというものではない。
ジギング以上にタチウオとの駆け引きが必要で
テンヤに命を吹き込むロッドワークや合わせのタイミングを見極める集中力が要求される。
これは冬の伊予灘でのテンヤタチウオ釣りに関してということなので
必ずしも他のエリアで通用するものではないと思われます。
何より まだ本格的にタチウオテンヤをやり始めて2シーズン目
釣行回数にして10回ほどの経験から述べたもので
まだまだ進化の途中ですし 研究の余地は大いにありです。
ご意見などありましたら メール等にてお聞かせください。
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